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創作における「ループもの」について

 ループもの、好きですか?僕はあまり好きではないです。世界を改変すればする程事態は悪化するけれど、ラストで結局救われるってのが気に食わないんですよね。

主人公が平行世界に取り残される、というBADエンドも出発点の世界を救っていたりするので、本当に胸糞で落とす創作って意外と少ないのでは?と度々考えます。単純に僕が浅いだけかもしれませんが。


 僕は「シュタインズゲート」があまり好みではないです。
ゲーム版やらには一切手を出していないアニメキッズの僕だけれど、どうしても「タイムマシン」という絶対的な存在に依存していることがどうも胸に引っかかる。

 中盤の主人公がどちらか一人のヒロインを助けるともう一人が死ぬ、という死の選択を迫られる展開は私のお気に入りで、全話視聴した後も勿論面白いと感じたけれど、何故か腑に落ちなかった。
 確かにタイムマシンは気に入らないけれど、「BTTF」シリーズなんかは好きなんですよ。僕がただのコメディ好きというのもありますが、どうもモヤモヤする。

自分でももはやなにが不満だったのか忘れる程のループものに対しての問い、それが「バタフライ・エフェクト」と出会ったことにより僕なりの解答が出た。

 


 はいそうです、バタフライ・エフェクトについて語りたかっただけなんです。

そもそも何故今更「バタフライ・エフェクト」を視聴するに至ったのか?もう少し脱線しますが、それは「ミッション8:ミニッツ」がこれまたどうも腑に落ちなかったからなんです。映画館を梯子した日の最後がつまらなくて、モヤモヤすることありません?

 「ミッション8:ミニッツ」のあらすじは、大規模列車事故で死亡した一人の教師と主人公の意識をリンクさせて、事故が起こるまでの8分間を繰り返し、爆破テロの犯人を探し出すというもの。
 ネタバレすると、犯人特定後に8分間の世界で出会った彼女を求め、その世界に閉じこもることを決意する主人公。そのまま世界に取り残されると思いきや、テロを阻止したことにより8分の世界線がそのまま続く。そしてその世界で意識をリンクさせた「教師」ではなく、自意識の「本人」として彼女と結ばれる。

 平行世界の説明はややこしいですけど、元の世界の人格AのままBの世界で出会った彼女とくっ付いてハッピーエンドって感じです。


 世界線を跨ぐことにより生じる「もう一人の僕」問題を上手く解決していたり、これから自分と同じようにループを繰り返すであろう冬眠中のもう一人の僕にメッセージを送るという粋なエンドだったりと、確かに見所は散りばめられていて、面白いのだけれど、これまたやっぱり腑に落ちないんですね。
 そしてこれまでの疑問が、「バタフライ・エフェクト」に出会うことで全部解決するんですね。それは「世界線を無暗に書き換えるべきではないというルールがあるか」、ということ。

 私がBTTFが大好きな理由も、これなんですよね。ドクやバタフライ・エフェクトの父親は、「危険だから絶対にやめろ!」と主人公を叱る。けれど思春期の青年が抱く情熱は誰にも邪魔することは出来ず、やっぱりトラブルが生じてしまう。
 こうした劇中でタイムトラベルに警笛を鳴らす第三者の視点を持ったキャラクターは必須だと考えていて、これがないと一般ピーポーの私達が劇に入り込むことが出来ない。
 「これはおとぎ話じゃないよ」と彼らが主人公を説得することにより、逆説的に作品としての現実味が増すんです。これ結構好みが分かれるのでは・・・?

 バタフライエフェクトのあらすじですが、主人公のエヴァンは幼い頃に短期間の記憶障害があり、日記をつけることで克服します。時は流れ大学生になったある日、記憶の研究を始めた彼は何の気なしに日記を開くとその光景がフラッシュバックし、自分に過去に戻る能力があることを知ります。

 ある日、初恋の幼馴染のケイリーが自殺します。エヴァンはフラッシュバックを繰り返す中で、彼女を追い詰めていたのは過去の自分だったと知りなんとか不幸を避けようと過去の改変を繰り返します。はたして彼女を救えるのか・・・

 

 この過去改変の能力は日記に記されている場面にしか使えず、あくまで主人公が失った記憶を復元する行為というか、とにかく緻密なようでとても曖昧な設定が僕は本当に素晴らしいと感じました。彼自身と父しかその能力を使うことはできないので、変にスケールが大きくならず、脱線しないのが良い。そして経験者である父に忠告される描写があるのも良し。

 

 そして本作最大の見所は、やっぱりラストシーン。普通にネタバレしますけど、エヴァンは最終的に過去の改変を諦め、初めからケイリーとの関係を絶ちます。人込みの中をすれ違う二人、振り返るが声はかけない。

 本当の意味で彼女を救ったエヴァン。いや~素晴らしい!僕としては、「過去は改変してはならない」という考えが物語を通して一貫しているのが好きです。初めから暴れるのではなく、ルールを理解した上でそれを破ってみるものの、そう人生は上手く行く訳でもない・・・。こういう変な曖昧さが好きなんですよね、僕は。

 彼の父が忠告したように、これから数年後にはエヴァンもする立場になるんだな~とか考えると本当にエモい。

 2と3もあるそうですが、とてつもない午後ロー臭がしますね。ここ数年の午後ローは夏のシャークネートSPがなくて、寂しい限りです・・・

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