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音を立てたら死ぬけど、子作りはするぜ! 映画「クワイエット・プレイス」レビュー

クワイエット・プレイス

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 「音を立ててはいけない」という設定が面白そうだと公開前にSNSで話題になったものの、いざ公開されるとイマイチ盛り上がりに欠けるという、謎の現象が起きた映画。

実際、客席も3割程度しか埋まっていませんでした。

 最近では「カメラを止めるな」や「ペンギンハイウェイ」等、SNSでバズる映画が増えていますが、僕はほとんどステマだと思っています。いつから電通がクチコミを操作しないと錯覚していた・・・?

 それでも「若女将は小学生!」の劇場版は気になりますね。本当に今の時代は、クチコミを判断することが難しくなったなぁと感じます。

 

 音を出してしまうと、「何か」に襲われてしまう街で暮らす四人家族の話。

前半は音を出してはいけないので、当然BGMもなく、微かな衣擦れの音や裸足が砂を撫でる音だけが劇場に響き渡る。

 ホラー映画での「じらし」がずっと続いている状態なので、ちょっとしたハプニングでもめちゃめちゃビックリする。音を出さないようにする工夫も面白いし、前半はピリピリとした緊張感が本当に心地良かった。

 

 「このままどうやって逃げ切るのかな~」

と考えていると、何故か妻が妊娠する。

 いやいや、ストーリーに抑揚をつけるにしても、流石に子供作るのはおかしくね!?

音出したら死ぬし、実際一番下の弟亡くしてるよね!?

 正直、劇場の皆が心の中でツッコミを入れていたと思う。この辺りから、一気に緊張感が解けてしまった。

 

 僕としては、「何か」は目が見えないので音に反応する

→「何か」が目の前に現れたら、息を殺して防災訓練のようにうずくまればやりすごせるのでは?と考えていたが、普通に走って逃げる彼ら。

 妻が出産してからは、何を思ったか「何か」と戦う方向にシフトする一家。

なんだかんだその路線で上手くいく一家。どうやら夫が以前から、「何か」の弱点を探っていたそうな。それにしても、斧一本で立ち向かうのは無謀すぎるぜ親父・・・

突っ込み所は満載でしたが、ラストシーンは嫌いじゃないですね。

 個人的には、前半の張り詰めた緊張感の中で、いかにして街を脱出するか、といったストーリーが観てみたかったです。

 

 「IT」に興行収入は勝っていても、内容としては同じくらいの面白さだと思います。

やっぱりホラーにしょーもない人間ドラマは必要ないと、改めてわからされました。