MENU

成長とは

 今日も、良い意味で言動や行動が同年代と比べて少し大人びている、と褒められた。正直生きていて褒めれられることはそうそうない分悪い気は全くしないのだが、違和感を抱くのは毎度のことである。

 僕は本当に子どもだとつくづく思う。まるで自分の人生を他人事のように舵を切っていて、責任を負うのが大嫌い。都合が悪くなったり決断のリミットが迫れば現実逃避を繰り返す。子どもどころか、まるで赤ちゃんだ。

 他人にはさも自分の事柄かのようにアドバイスをしたり寄り添って思考する、出来る癖に、自分のこととなるとテンで駄目だ。
親には数えきれない程無責任だと言われてきたが、自分でも本当に無責任な人間だと思う。

 そんなことを考えていると、夏の終わりも相まってナーバスになってしまった。そんな僕が現実逃避する場所は、決まって映画館。
 つい昨日宿題に全く手をつけていない弟と遊園地で遊んだばかりなのに、どうしても夏を終わらせたくない僕。最後の抵抗だ。

 鑑賞した作品は、「ブリグズビー・ベア
25歳の主人公が、実の親ではなく誘拐犯に25年間もの間育てられていた、と知る。
 肉親の元に戻るものの、幽閉されていた彼の唯一の情報源「ブリグズビー・ベア」という教育番組のことをどうしても忘れることが出来ず、うまく家族と馴染めずにいる彼だった。
そんな中、妹とパーティーに参加したことをきっかけに、友人をつくり、やりたいことを見つけ成長していく・・・といったストーリー。
 
 この映画の内容を要約すると、25年間引きこもってたけど、外の世界に出て友達作ればなんとかなるぜ!ってこと。そんな内容とメッセージは陰キャオタクの僕にはあまりにも眩しく、日を浴びたドラキュラのように僕は灰と化した。

 夜の生暖かい渋谷の街を歩いていると、昔塾の先生が退職時にくれたメッセージカードのことをふと思い出した。
 「人は、人と関わっていくことでしか成長できないので、これからもたくさんの人に囲まれて酸いも甘いも色々な経験をして素敵な男性になってね。」
 この一文は定期的にフラッシュバックするのだが、映画の内容とマッチして考えざるを得なくなった。
 
 毎度のことなので、手順は大体決まっている。まずは、
「あの時と比べて成長できているだろうか?」
と考える。答えは半分YES。

 バイトやらで長いものに巻かれるようになったのは、良くも悪くも成長した証なのでは、と考えるからYES+1
 でもただのコミュ障な部分があるのでYes-0.5
 「たくさんの人に囲まれて酸いも甘いも色々な経験をして」後半は色んな意味でYes+1
 「たくさんの人に囲まれて」は満たしていないのでYes-1

 よって、答えは半分YES。

 それにしても本当に的を射た人生の先輩からのメッセージだな、とつくづく思う。
「人は、人と関わっていくことでしか成長できない
これは本当にその通りで、僕自身の課題だな、と思う。

 今日鑑賞した映画の主人公も、友人や周囲の環境を通して成長していき、自分の道を切り開いていた。一人なら、絶対に到達することができない道を。

 僕にも、そんな人生のパートナーが居ればな、と帰りの電車内で考えていた。別に彼女とかじゃなくて、互いに心を許し合える友人・・・いや、僕にも一人だけ居た。それは弟。

 彼女や友人をも凌ぐ究極の関係、弟。彼も僕と同じくメンヘラ傾向があるらしいが、僕がいると気持ちが和らぐそうだ。こんなダメ兄貴でも、心は通じ合っているようだ。

 弟となら、なんだって出来る気がするな・・・そんな暖かな妄想を抱きながら、今日も眠りにつくのだ。

f:id:Nikuman12:20180928103204j:plain