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囚われたがりの僕ら

 バイトを辞めてから、早一ヶ月が過ぎる。
辞めたのは正しい決断だったが、かといって今の生活が以前より充実している訳でもない。
そんな、憂鬱な日々を送る僕の話を聴いてくれ。


 これは僕だけかもしれないが、案外人は「囚われたがり」なことに気が付いた。

以前テレビ番組で、東進の林先生が
「子供がゲームを辞めたところで、勉強時間が増える訳ではない」

と、言っていた。まさに今の僕そのものだ。
バイトを辞めたからといって、無を貪る癖は全く治る気配がないし、多分一生完治することはないだろう。


 「囚われる」と、気持ちが楽になる。 
子育てをある程度済ませた専業主婦が、パートを始めるのと同じで、仕事の最中は余計なことを考える必要が一切ない。
それは僕も、同じだった。

店長に怒鳴られるのも、自分で自分を責めるのに比べたら、幾分か楽だったかもしれない。

ただの小遣い稼ぎ程度としか認識していなかったが、僕の心の支えになっていたのは、確かだった。


 今まで自分は社会不適合者だ、と思い込んでいたが、実はそうでもないのかもしれない。

かといって、「囚われる」ことに居心地の良さを感じる訳でもない。

漂流した僕らの終着点は、果たして何処に・・・


 死がゴールだと思わなくもないが、明日からプリキュアとプリチャンが観られなくなると思うと、やっぱり悲しいです・・・