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新田にくの憂鬱

「幸せよりも悲しみを、安らぎよりも苦しみを追い求めているのだ」

これは、映画「乱」での1シーンだ。

 本当にその通りだと思う。
しかし、僕が思う人々が悲しみを求める理由は、黒澤明とは異なっているかもしれない。

 僕はヒューマンドラマが好きだが、ネガティブな要素のものが多い。
それは自身の安全圏を確認する為でもあるのかもしれないが、僕はポジティブな気持ちになれるから好きなのだ。

 リストカットは生きていることを実感する為に行う行為という考えがあるが、僕は人間の本能なのだと思う。
破滅願望を抱くことは、ごく自然なことなのだ。

 とある学者によれば、人間は4:6で生まれてこない方が幸せらしい。
つまり、ただ冷静に自分に利がある方へ気持ちが傾いているだけなのだ。

 それでも、僕は生きる。
生まれてきた時点で不幸が始まっているのだから、今更後戻りすることはできないのだ。

 僕が好きなヒューマンドラマ映画ベスト3は、
マンチェスター・バイ・ザ・シー
「誰のせいでもない」
「ティエリー・トグルドーの憂鬱」

とても悲しく、憂鬱になるが、マイナスエネルギーは原動力になる。
冷静にもなれるし、全能感に浸ることだってできる。
たまには人間の本能に素直になるのも、悪くないかな。